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2021.10.11第2回【全粒粉100% 国産小麦を“まるごと”使った食物繊維たっぷり細うどん】『全粒粉100% 国産小麦』の魅力
『全粒粉100% 国産小麦』の魅力
『国産小麦』という言葉を見ると、なぜかほっとします。
麺やパン、焼き菓子など、私たちの食卓に、並ばない日はないくらい小麦は身近ですよね。
この記事では、私が今注目している『全粒粉100% 国産小麦』の特徴と魅力をご紹介します。
一緒に『全粒粉100% 国産小麦』について、“まるごと”理解しましょう。
国産小麦の生産量は?
令和2年の国産小麦の生産量は、94万9300トン。
ここ数年は、国内消費量全体のわずか15%前後で推移しており、残りは輸入に頼っているのが現状です。
国産小麦の生産量ランキング トップ20(都道府県別) ~2020年版~
国内の生産量は、北海道が全体の67%と大半を占めています。
うどん県として知られる香川県は、全体の0.9%とごくわずかです。
実は、現在のさぬきうどんの原料の大部分は、
「ASW(オーストラリア・スタンダード・ホワイト)」というオーストラリア産の小麦なのです。
なぜ、国産小麦よりも外国産小麦が主流となっているのか。
それは、小麦価格や生産量の違いもありますが、国産小麦と外国産小麦の<特徴>の違いが大きく影響しています。
国産小麦と外国産小麦の特徴の違い
国産小麦は、風味が豊かで、もっちりした食感や味も、外国産小麦に引けを取りません。
しかし、一般的に外国産小麦と比べ、たんぱく質量が少なく、※グルテンが形成されにくい 特徴があります。
※グルテンとは、小麦の中心部分にふくまれるたんぱく質のうち、「グリアジン」と「グルテニン」が水を吸収して、網目状につながったもの。この吸水性がよいほどグルテンを形成しやすい。
さぬきうどんは「コシが命」。
グルテンが少ない国産小麦で、この「コシ」を生み出すには、高い技術が必要です。
そのため、大量に入手しやすく、製麺しやすい外国産小麦が、今や、讃岐うどんの原料の主流となったのです。
全粒粉とは?
これまで、『国産小麦』の特徴についてご紹介しましたが、ここで、『全粒粉』と『小麦粉』の区別について、小麦のイラストを見ながら、おさらいしましょう。
「小麦」のうち、「表皮」「胚乳」「胚芽」すべてを挽いたものが『全粒粉』、
「胚乳」のみを挽いたものが「小麦粉」です。
全粒粉100%の場合、このグルテンの形成を阻害する小麦表皮部分(ふすま)も含むため、うどんの「コシ」を生み出すには、さらに高い技術が必要となります。
『全粒粉100% 国産小麦』の魅力
1.栄養面で優れている
とにかく、全粒粉は、食物繊維や鉄、マグネシウム、亜鉛など、不足しがちな栄養素の宝庫。全粒粉100%うどんは、様々な麺類のなかでも、栄養バランスは、トップクラス!
※詳しくは、「【知って得する!】全粒粉100%うどんのすすめ」にてご紹介しています。
2. 「食」を守る
最初の項でお伝えした通り、日本の小麦の自給率は低く、大部分を輸入に頼っています。
「食」は、私たちの生活からは切り離せません。
大部分を輸入に頼るということは、世界情勢や為替、気候、人口増などによって、突然、途絶えてしまう可能性もあります。
これまでも、何度も「小麦値上げ」のニュースは、耳にしてきましたよね。
一人一人が、『国産小麦』の価値を知り、消費することは、私たちの「食」を守ることにもつながるのです。
3.SDGs(持続可能な開発目標)に貢献
人類がたった一つしかない地球で暮らし続けるために、2030年までに達成すべき目標として、17の目標(SDGs)が掲げられています。
その2番目に「飢餓をゼロに」とあります。
世界的な人口増加による、資源の枯渇が懸念されていますが、近年、それに伴い、飢餓人口も増加しています。
『全粒粉100% 国産小麦』は、限られた食糧資源を“まるごと”有効活用することで、社会問題の解決の一助にもつながっています。
「食」を通じて、社会貢献できるなんて、とても魅力的ですね。
まとめ
『全粒粉100% 国産小麦』のおいしさ、価値を知り、消費することは、私たちの「食」を守るだけでなく、SDGsへの取り組みにもつながります。
グルテンの形成が難しく、おいしいうどんを作るのは不可能と言われていた国産小麦で作る“全粒粉うどん”。
しかし、『全粒粉100% 国産小麦を“まるごと”使った食物繊維たっぷり細うどん』は、技術的な不可能にチャレンジしたことで実現が可能となった、おいしくて、手軽な、栄養たっぷりのうどんです。
そんな魅力たっぷりの
「全粒粉100% 国産小麦を“まるごと”使った食物繊維たっぷり細うどん」を
是非、食卓に並べてみてくださいね。
<参考>
農林水産省HP 令和2年産4麦の収穫量:農林水産省 (maff.go.jp)
香川県HP 県産小麦のあゆみ|香川県 (kagawa.lg.jp)
農林水産省HP その2:食料自給率って低いと良くないの?:農林水産省 (maff.go.jp)
国際連合広報センター SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは? 17の目標ごとの説明、事実と数字 | 国連広報センター (unic.or.jp)
松岡 喜美子(まつおか きみこ)
県立広島女子大学(現在:県立広島大学)卒業後、管理栄養士を取得。
糖尿病クリニックで栄養指導に従事しながら健康運動指導士を取得。
2008年より、フリーとしての活動を開始。
特定保健指導を中心に、セミナー講師や執筆、フードコーディネートなど幅広く活動している。
これまで1万件以上の指導実績があり、個々の状態や環境に応じて、柔軟で的確な提案を心掛けている。
【所有資格】
管理栄養士 健康運動指導士
高血圧循環器病予防療養指導士 かがわ糖尿病療養指導士
【所属学会など】
日本高血圧学会 日本肥満学会 日本スポーツ栄養学会
日本糖尿病協会 日本コアコンディショニング協会(JCCA)
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